ジャズピアノとはいったいどういうものでしょうか?
たとえば
「夜のバーやホテルのラウンジ、レストランなどで流れるようなおしゃれな音楽。。」
「昔の無声映画で流れてたようなリズミカルなホンキートンクピアノ。。。」
「ポリリズムや複雑なハーモニを駆使した難解な音楽。。。」
「古い映画音楽やミュージカル、またはムードミュージックみたいな。。。」
「テンションコードが入ったクールな音楽。。。」
等、ジャズピアノに対する音楽のイメージは人によってそれぞれあるのではないかと思います。
また、ある人にとってのジャズピアノの音楽のイメージは他の人のそれと全く別の音楽のようなものであるかもしれません。
それは、一口に「ジャズピアノ」といいましても,そのスタイルは様々でまた時代によっても大きくスタイルが異なるからでしょう。
クラシック音楽など他のジャンルにも言える事ではありますが、特にジャズはミュージシャンの音楽への追求や社会情勢や環境、人種や文化などにも大きな影響を受け、時代と共に多様で急速な変化を遂げ進化してきました。
歴史をさかのぼると、ジャズピアノの原型は19世紀末にアメリカのミズーリ州シディリアを中心に生まれた「ラグタイム」といわれる、ヨーロッパのピアノ音楽に黒人的なリズムの特徴であるシンコペーション(裏拍のアクセントが強調されたリズム)を取り入れたピアノ音楽のスタイルだといわれています。「ラグタイム」はアメリカ南部でたちまち流行し、後にニューヨークなどアメリカ北部にまで広がりました。
「ラグタイム」は後のジャズのようなアドリブのパートは無く、クラシック音楽のように譜面に書かれた曲をその通りに演奏するというものでしたので,リズムや演奏スタイルはジャズピアノの原型であるといえますが、アドリブの要素が大きな特徴とされる「ジャズピアノ」と呼べるかどうかは意見が分かれるところです。
とはいえ、このアメリカ各地で流行したラグタイムが各地でそれぞれの変化や進化を遂げ、今までのジャズピアノのスタイルを形作っていったことは確かでしょう。
ジャズという音楽はクラシック音楽のように作曲家によって書かれた音楽の譜面をその通りに再現するというものとは異なり、曲の構成や大枠は決められているものの、(フリージャズなどはそれさえ決められてい無いことも多いです。)内容は演奏者の即興によって成り立つというスタイルであり、常に演奏者によって変化、発展していく音楽であるともいえます。
このように、ジャズという音楽の大きな特徴のひとつは演奏者がその場でメロディを即興的に作曲するという所にある事から、ジャズの歴史を語る上で重要になってくるのは作曲家よりむしろ演奏者であるとも言えるのです。
ですから、ジャズピアノとはどういうものかという事を知ろうとするには、今日までジャズピアノの発展をさせてきた、数々の偉大なジャズピアニスト達の演奏やスタイルに触れることが一番です。
このサイトでは100年を超えるジャズの歴史に大きな役割を果たしてきた代表的なジャズピアニスト達を介して、ジャズピアノのスタイルや歴史、奏法、名盤、名演奏などを、今までジャズをほとんど聴いたことの無いという初心者の方にも、分かりやすくご紹介して行こうと思います!
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